京都市指定・登録文化財−環境保全地区



しこぶちじんじゃぶんかざいかんきょうほぜんちく
志古淵神社文化財環境保全地区
当社は京都市北部にある久多集落の中央に位置する。境内には正面入口寄りに鳥居が建ち,その少し後方に拝殿と本殿(京都市指定文化財)が一列に並ぶ。鳥居と拝殿との間の広場では,毎年8月に久多花笠踊(国指定無形民俗文化財)が行われ,当日は広場中央にやぐらを組む。拝殿は石積基壇上にあって広場より一段高くなっている。境内は建造物や石垣,さらに樹木が一体となってすぐれた景観を形成しており,また久多花笠踊の舞台としてもその環境は貴重である。

ふじのもりじんじゃぶんかざいかんきょうほぜんちく
藤森神社文化財環境保全地区
当社は旧伏見街道の東に位置する。南の通り側に常夜燈と石鳥居を建て,これより北に参道が長くのびている。北寄りの一郭には本殿(京都市指定文化財)以下の社殿や境内社大将軍社社殿・八幡宮本殿(重要文化財),社務所等が建つ。また広い境内の南側大半には楠を主とする樹木が占め,古来著名な藤森を伝えている。当社では,毎年5月5日の藤森祭に藤森神社駈馬(京都市登録無形民俗文化財)が開催され,境内はその舞台としても貴重である。

じょうじゅうじぶんかざいかんきょうほぜんちく
淨住寺文化財環境保全地区
当寺は西山のふもとに位置し,その境内は元禄年間 (1688〜1704) 再興時の寺観を伝えている。 東西にのびる参道には高低差があって途中に石段が付く。参道の両側には樹木が茂り,また入口寄りには南北に土塀がのびる。参道の石段を登りきると正面に本堂・寿塔(京都市指定文化財)が,その北には客殿が建つ。本堂をはじめとする建物が,石段や土塀・樹木などと一体となってすぐれた景観を示している。

たいしょうぐんじんじゃぶんかざいかんきょうほぜんちく
大将軍神社文化財環境保全地区
当社境内は,ほぼ中央南端の鳥居をくぐると石畳を敷いた短い参道がのび,その正面には拝殿,拝殿の後方には覆屋の中に本殿(京都市指定文化財)が南面して建つ。本殿の正面には白川砂でつくられた厄除け・方除けの盛砂が左右に置かれている。参道の東には手水舎が位置し,さらに本殿と拝殿周辺には摂社・末社や神輿庫,社務所等が建ち並ぶ。この境内は建物と,それらを取り囲む樹木が一体となって,鎮守の森としての景観もよくとどめている。

くらかけじんじゃぶんかざいかんきょうほぜんちく
倉掛神社文化財環境保全地区
当社境内は,南側の道路沿いに鳥居をたて,その後方に拝殿,本殿を一軸上に並べる。拝殿は中央を馬道(めどう)とする割拝殿形式になっている。本殿は覆屋の中に建つ一間社春日造(京都市指定文化財)である。このほか,末社や不要になった古いお札を納める「ちりんさん」と呼ばれる小祠が本殿,拝殿の周辺に配され,これらの建物の東西と北には高い樹木が生い茂って鎮守の森を形成している。

ひむかいだいじんぐうぶんかざいかんきょうほぜんちく
日向大神宮文化財環境保全地区
日向大神宮は九条山の中腹に位置する。境内には奥の一番高くなった一郭に内宮が,その手前一段低いところに外宮と社務所が建ち,周辺部には摂社,末社,付属舎が並んでいる。内宮,外宮の本殿はともに茅葺の神明造本殿で,江戸時代後期の建築である。本殿の前にはそれぞれ御門が建ち,その両脇に板垣が取り付いて敷地を区画している。敷地の高低差を利用したこの神社の境内構成はみごとである。本殿は京都市登録文化財である。

じぞういんぶんかざいかんきょうほぜんちく
地蔵院文化財環境保全地区
地蔵院は西山の麓に位置する。貞享3年には現方丈(京都市登録文化財)が創建されるなど,寺観の整備が行われた。方丈前の庭園(京都市登録名勝)も,この頃に築かれたものと考えられている。境内は参道が山に向かってのび,その途中には総門が開く。参道の奥には方3間の本堂(昭和10年再建)が東面し,その北方には方丈,庫裏等が建つ。境内を竹林で囲まれ,建造物や庭園と一体となって,「竹の寺」にふさわしいすぐれた境内環境を形成している。

いわくらじんじゃぶんかざいかんきょうほぜんちく
石座神社文化財環境保全地区
当社の境内は鳥居・拝殿,その奥の両本殿(京都市登録文化財)が一軸上に並び,拝殿の手前に軸線をはさんで対称的に仮屋が置かれている。境内地は石垣を築いてひな段状に造成されており,正面より鳥居・仮屋・拝殿・本殿が順次高くなっている。敷地の高低差を利用し,また軸線を強調した配置はみごとで,石垣や石段とあいまって優れた境内環境を形成している。仮屋を残す例は市内ではほとんどみられず,10月におこなわれる岩倉火祭(京都市登録無形文化財)の舞台としても貴重である。

あめのほひのみことじんじゃぶんかざいかんきょうほぜんちく
天穂日命神社文化財環境保全地区
当社は参道が境内南東の石鳥居から西に向けて伸び,本殿や拝殿などに至る。本殿(京都市登録文化財)は覆屋に納まっており,その周囲には小祠がいくつか建っている。拝殿は万延元年(1860)頃の建築である。この境内は,和歌の名所として知られた「石田の杜」に比定されている。市街化が著しい地域にあって,本殿以下の建物が樹林の中に建ち,全体として良好な環境を保っている。




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