| 1.環境会計の定義 |
| 環境会計とは,企業等が,持続可能な発展を目指して,社会との良好な関係を保ちつつ,環境保全への取組を効率的かつ効果的に推進していくことを目的として,事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を認識し,可能な限り定量的(貨幣単位又は物量単位)に測定し伝達する仕組みです。 |
| 2.環境会計の機能と役割
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| 環境会計の機能は内部機能と外部機能に分けられます。 |
| (1) 内部機能 |
企業等の環境情報システムの一環として,環境保全コストの管理や,環境保全対策のコスト対効果の分析を可能にし,適切な経営判断を通じて効率的かつ効果的な環境保全への取組を促す機能です。
内部機能は,企業等の内部において,環境保全対策に要したコストとその効果を評価して環境保全対策をより効率的,効果的なものにするために,また,環境保全活動が事業活動に与える影響を把握するために有効です。すなわち,経営者や関係部門等による環境情報システムとしての環境会計の利用を通して,経営管理ツールとしての役割が期待されます。 |
| (2) 外部機能 |
企業等の環境保全への取組を定量的に測定した結果を開示することによって,消費者や取引先,投資家,地域住民,行政等の外部の利害関係者の意思決定に影響を与える機能です。
外部機能は,環境会計情報を,環境報告書を通じて環境保全への取組姿勢や具体的な対応等と併せて公表することによって,企業等の環境保全への取組を利害関係者に伝達するために有効です。公表によって外部の利害関係者に対して説明責任を果たすと同時に,環境に配慮した事業活動に対する適切な評価に結びつく役割が期待されます。 |
| 環境会計を正しく理解するためのポイント |
| 環境庁が公表した『環境会計システムの確立に向けて(2000年報告)』では,環境会計情報を正しく理解するためのポイントをあげています。その概要は,以下のとおりです。 |
| ◆環境会計以外の環境情報を加味して総合的に評価することが必要 |
| 環境保全への取り組み状況については,環境会計の情報のみに注目して判断するのではなく,その背景にある環境保全活動の実態を考慮して理解する必要があります。 |
| ◆環境保全コストの大小や増減で単純に比較評価することは不適切 |
| 企業等の業種や業態により,環境保全コストの構造に差異があります。また,環境会計の細部の把握方法については,個別の企業等ごとに差異が生じる状況にあります。よって,公表された数値のみで安易に企業等の間の比較評価をすることは不適切です。 |
| ◆環境パフォーマンスデータの有効活用 |
| 環境保全効果は,そのすべてを貨幣換算できるものではありません。よって,環境保全効果を正しく把握するためには,例えば汚染物質の削減量など,定量的に把握できる環境パフォーマンスデータについても効果として捉え,評価することが必要です。 |
貨幣換算のみ着目し,その黒字・赤字で評価するのは不適切
環境保全対策に関わる全ての効果をによる比較に貨幣換算により把握することは難しく,確実な根拠に基づいて算出することが可能な効果は,限定的です。そのため,貨幣換算により把握された効果だけで捉えると,環境保全対策の効果を過小評価することとなりがちです。環境会計を正しく理解するためには,貨幣換算により比較できる費用と効果にのみ着目し,その収支差(黒字なのか?赤字なのか?)から環境保全対策を評価するのは不適切です。 |