定例会・臨時会の結果  平成14年第1回定例会 【意見書・決議】

雇用の安定と創出を求める意見書

 (14.3.26提出)

 国民は,長期にわたる経済停滞の中で,4年連続の収入減,5パーセントを超える戦後最悪の失業率,相次ぐリストラ計画の発表など,深刻な雇用と暮らしの危機に陥っており,このことは地域経済にも深刻な影響を及ぼしている。
 よって国におかれては,「雇用と暮らし最優先の政策」を実行するとともに,雇用の安定と創出を求め,日本の経済社会を再生させるために,下記の施策を早急に実行されるよう強く要望する。

 教育,医療,介護,環境など,社会インフラの拡充が急務な分野を中心に120万人以上の雇用を創出するとともに,能力開発・再就職支援策を強化し,失業者を減らすこと。
 地域における雇用安定・創出の取組に対する支援など,環境整備を行うこと。
 海外に進出している企業に対し,海外依存を強めることなく,日本国内における就労の機会を確保するよう誘導すること。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,経済財政政策担当大臣,総務大臣,厚生労働大臣,経済産業大臣


小児救急医療制度の充実・強化を求める意見書

 (14.3.26提出)

 近年,休日や夜間の小児救急医療体制の不備から,小児救急患者の医療施設たらい回しや患者輸送の手遅れから重大な事態に至るなどの問題が全国各地で発生し,大きな社会問題になっている。
 また,患者・保護者の専門医志向等による小児救急患者の大病院集中と,共働き世帯の増加に伴う休日・夜間診療ニーズの激増が大病院小児科等の激務と過労を招くとともに,それが更に小児科医志向の抑制に一層の拍車を掛けていることが指摘されている。
 こうした事態に対し,厚生労働省は,平成11年度から3箇年計画で,全国360地域の第2次医療圏ごとに,365日,24時間体制でいつでも子どもを診察することができる小児専門救急医療体制の整備を目指した「小児救急医療支援事業」をスタートさせたが,平成13年12月末時点での実施地域は27県102地域であり,全体の3割弱にすぎない。その最大要因が全国各地における小児科医の大幅な不足であり,各都道府県における小児救急医療の体制整備を極めて困難にしている。
 よって国におかれては,これまでの小児救急医療体制の在り方を抜本的に見直し,下記の事項の早急な実現を強く求めるものである。

 第2次医療圏に最低1箇所,24時間対応小児専門救急医療体制の早期整備を進めること。そのため,「小児救急医療支援事業」の抜本的見直しを図り,国の助成を強化すること。
 都道府県における小児医療の中心センターとして中核的小児医療機関の整備を計画的に行うこと。
 小児救急医療及び小児医療にかかわる社会保険診療報酬の引上げを図ること。
 大学医学部における小児専門医の養成と臨床研修の充実を図ること。


 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣


多発する食肉偽装事件等の徹底解明と食品表示制度改善・強化を求める意見書

 (14.3.26提出)

 先般,雪印食品が外国産の牛肉等を国産牛肉と偽って,これを国に買い取らせたという極めて悪質な事件が発生した。その後も多くの食品の偽装表示事件が次々と発覚し,国民・消費者の食品表示制度全般に対する不信が大きなものとなっている。雪印食品をはじめとする数々の偽装事件は,単に会社の一部の者によるものではなく,「会社ぐるみ」の組織的犯行であることや,偽装は原材料にとどまらず産地,加工者及び品質保持期限等にまで及んでいることなどが指摘されている。
 国民の食品への信頼回復を早期に図る意味において,まずこれらの事件に対する徹底的な解明を進めるとともに,その情報公開と厳然たる措置を講じるべきである。
 よって国におかれては,国民の健康と生命にかかわる情報を正しく伝えるために,食品表示制度の抜本的見直しを下記の事項のとおり速やかに行うことを求めるものである。

 国産牛肉買上げ制度による保管中の牛肉について,ほかにも虚偽や不正がないか,総点検を行うこと。
 JAS法や食品衛生法等の関係法における食品表示制度の抜本的見直しと,そのための監視制度の強化・充実を図るとともに,違反者への罰則を強化すること。
 食品表示については,名称,原材料,内容量,賞味期限,製造・輸入業者名及び生産地等のより詳細な表示を行わせるとともに,内容のチェック等監視体制の強化を図ること。


 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣,農林水産大臣


ワークシェアリング等積極的な雇用対策の確立を求める意見書

 (14.3.26提出)

 昨今,我が国の経済及び雇用状況はより一層厳しい状況に直面している。
 総務省の調査によれば,昨年12月の完全失業率は過去最悪の5.5パーセントを記録し,有効求人倍率も0.51倍と6箇月以上連続で悪化している。こうした雇用状況は,今後の企業の倒産やリストラ等のすう勢を考えれば,一層厳しさを増すことが予想される。
 国においては,平成13年度補正予算及び平成14年度予算に基づく緊急雇用対策などによって対応を図っているが,職業紹介の充実や失業給付・雇用訓練期間の延長あるいは職業訓練体制の強化・充実等の従来型の雇用対策のみでは,こうした厳しい事態への対応は困難であり,新しい発想に立った対策が不可欠になっている。
 こうした状況の中で,最近,ワークシェアリングが注目を浴びている。ワークシェアリングは,一人当たりの労働時間を短縮し,仕事を分かち合う雇用対策であり,既に欧州において広く実施され,雇用の確保や失業対策に一定の成果を挙げている。最近,我が国においても,この制度導入に向けて,政府と労働組合及び経営者団体の3者による「政労使雇用対策会議」が設置され,合意形成に向けて協議が開始されているところである。
 ワークシェアリングは,克服すべき課題を有するものの,何よりも失業者増加に歯止めを掛け,新しい雇用を増やす端緒ともなる可能性を持っている。
 よって国におかれては,ワークシェアリングの導入の推進,中小企業の雇用対策,パートタイム労働者や短期労働者の待遇改善など積極的な雇用対策を図るべきである。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,経済財政政策担当大臣,総務大臣,厚生労働大臣,経済産業大臣


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