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 平成19年第1回定例会 【意見書・決議】

公正職務執行条例(仮称)の早期制定を求める決議

(19年2月20日提出)

 市民から信頼される公正・公平・透明性のある市政の運営のためには,職員の公正な職務執行体制の確立が必要である。
 市長は,これまで,「京都市職員の公正な職務執行を確保するための体制に関する要綱」を定め,運用しているが,十分に機能しているとは言い難い。
 本市会としては,この度,京都市会議員政治倫理条例の制定により,改めて,全体の奉仕者としての自らの責任と役割を胸に刻み,法令遵守はもとより,職員の不公正な職務執行につながる行為を禁止するなどの政治倫理基準を定めるとともに,議員政治倫理審査会の設置により,議員が主体的・積極的に政治倫理確立に向けての諸課題の解決に取り組む仕組みを構築した。
 職員が外部からの不当な要求・要望に対して毅然と対応し,市民本位の職場環境をつくることは,市長のみならず,議会の重要な役割であると認識している。そのような認識の下,この度,本市会は,京都市会議員政治倫理条例(通称「モラル条例」)を制定した。
 しかし,議会側の取組と市長側の取組が車の両輪のごとく一体のものとして機能しなければならないと考える。
 そこで,市長側においても,今市会中に,京都市会議員政治倫理条例と対になる具体的な取組を明らかにし,この議員政治倫理条例と相まって,職員の公正な職務執行体制が確立できるよう,早期に公正職務執行条例(仮称)の制定に向けて鋭意努力すべきである。

 以上,決議する。

「がん対策推進基本計画」の早期制定を求める意見書

(19年3月13日提出)

 我が国のがんり患率や死亡率は,共に上昇を続けており,1981年以降,死亡原因の第1位であり,今や死因の3割が,がんである。10年後には,2人に1人が,がんで死亡すると予想されている。
 昨年6月,「がん対策基本法」が制定され,日本で立ち後れてきた緩和ケアと放射線治療の充実などが基本理念の中に盛り込まれるとともに,がん対策を戦略的に推進することが明示されている。同法にはまた,今年4月の施行を踏まえ,基本的施策を具体的,計画的に推進するため,国に「がん対策推進基本計画」の策定が義務付けられている。
 今後,実効性のあるものとするための具体的な施策の柱としては,@全国レベルでの医療従事者への緩和ケアの研修,A放射線治療の専門医等の育成・研修及び連動する大学医学部の体制充実,Bがん登録に必要な患者のり患,転帰その他の状況把握・分析の整備,C都道府県が設置している,がん検診の推進と質の向上のための精度管理委員会の活性化,Dがん研究の推進──などがある。
 また,全国のがん診療連携拠点病院は,286箇所となっているが,同拠点病院の整備と共に,速やかな,がん診療連携拠点病院の推薦態勢の確立が求められており,さらに,がんと診断された患者が,容易に複数の専門家の意見を聞くことができるようセカンドオピニオンの充実を図るとともに,がん情報提供窓口の整備,抗がん剤・医療機器等の早期承認なども含め総合的取組による,患者の立場に立った,がん対策を推進するべきである。
 よって国におかれては,今後,実効性のあるがん対策を大きく前進させるため,「がん対策推進基本計画」を一日も早く策定し,実行することを強く求める。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,文部科学大臣,厚生労働大臣


「子どもを共に育む京都市民憲章」を積極的に推進する決議

(19年3月13日提出)

 今日の社会において,急速な情報化に加えて,物質的な豊かさや利便性があまりにも優先され,社会から子どもの健やかな育ちに必要な力が失われつつある中で,社会の宝として,大切に守り,育てられるべき子どもたちが,社会の歪みの中に巻き込まれ,尊い命が犠牲となる事件が後を絶たない。
 本市では,京都のまちで培われてきた次代を担う子どもたちを育む自治の精神と地域ぐるみでの人づくりの伝統に依拠しつつ,子どもを健やかに育むための大人の行動規範として全国に例のない「子どもを共に育む京都市民憲章」を,広範な市民とのパートナーシップにより,去る2月5日に制定し,2月24日の憲章制定記念の集いにおいて,憲章の趣旨を実践していくことを誓い合われた。
 よって,本市においては,本市民憲章の積極的な普及啓発に努め,社会のあらゆる場において実践されるよう取り組み,市民ぐるみで子どもたちを健やかに育む気運をより一層盛り上げていくことを強く求めるとともに,市会としても,憲章の着実な推進に向け,強力に支援していくこととする。

 以上,決議する。

新たな景観政策の推進に関する決議

(19年3月13日提出)

 1200年の悠久の歴史と文化が息づく,日本を代表する歴史都市・京都を再生し,世界に向けて,日本の宝である京都を未来永劫にわたって,世界に発信し続けるために,50年後,100年後の京都の将来を見据えた取組として,この度,新たな景観政策推進のための6条例案及び関係予算案が提案された。これは,他都市をリードする特筆すべき景観政策と位置付けることができる。
 国家戦略としての京都創生の取組の根幹が,この新たな景観政策であり,国の全面的な協力が必要であることは言うまでもないが,何よりも,この新たな景観政策の規制強化により痛みを被ることが懸念される市民や事業者の理解と協力が是非とも必要である。
 新たな景観政策の実施の過程では,こうした市民や事業者の不安をはじめ,様々な課題と困難が予想されるが,今後も引き続き,市民や事業者の不安を払拭するために,十分な説明責任を果たすことに全力を注ぎ,市民や事業者と共に痛みを分かち合いながら,日本の宝である歴史都市・京都を次の世代に,誇りを持って継承することができるよう,新たな景観政策の実現に一丸となって,不退転の決意で取り組むことが必要である。
 そのために,下記の事項について,万全の体制で実施することが必要である。
 他都市をリードする新たな景観政策と位置付け,これによる経済効果も含めた政策の検証システムを構築すること。
 新たな景観政策の市民への周知はまだ十分ではない。今後も引き続き,市民や事業者の不安を払拭するために,新聞や説明会開催等のあらゆる方法・機会を活用し,分かりやすく,効果的な周知徹底を図ること。
 既存不適格となるマンション等について,金融機関から追加担保を求められたり,新たな融資が拒否されることのないよう,金融機関に要請すること。また,分譲マンションの建て替えや大規模修繕が円滑に進むよう,区分所有者の不安を解消するための更なる建て替え支援の充実,専門知識を有したアドバイザー派遣制度の創設,新たな耐震助成制度の創設に取り組むこと。
 本市が施行する建築物について,歴史都市・京都にふさわしいデザインの建築物となるよう率先垂範を示すとともに,進化していくデザイン基準に対応できるよう,建築家等の専門家,建築設計関連団体等との連携を図り,デザイン基準等について,十分な協議を行う恒常的な協働システムを早急に構築すること。
 狭小宅地以外(100平方メートル以上)についても,宅地の形状等により,デザインや門,塀,生垣などの設置については柔軟に対応し,和風を基調としつつも,周辺環境に調和した意匠建築であれば和風でなくても認めること。
 京町家等の景観重要建造物の維持管理の助成制度や買取制度を推進すること。
 デザイン審査に関しては,担当者によって判断が異なることのないよう,組織的に対応できる十分な審査体制を整え,審査基準を明確にするとともに,職員の資質の向上を図るための研修等を十分に実施し,迅速かつ的確な審査を行うこと。
 屋外広告物に関しては,現状でも,違反広告物が非常に多く,現行の基準が十分に徹底されているとは言えない。
 違反対策として,規制・指導体制を十分に整備し,違反業者・広告主に対する毅然とした対応を強化し,速やかに,違反広告物の是正,良好な広告物の誘導を図ること。
 以上,決議する。

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