河原町地区交通バリアフリー移動円滑化基本構想(素案)に対する市民意見の概要

1.市民意見募集の実施
(1)実施期間
平成18年7月3日〜8月2日(1箇月間)
(2)実施手法
 (ア) リーフレットの配布(2,000部)
 (イ) ホームページへの掲載
 (ウ) 中京区役所,下京区役所,東山区役所及び京都ライトハウス点字図書館への点字リーフレットの配備

2.市民意見の概要
(1)市民意見の数
提 出 方 法
人  数
意 見 数
はがき,封書など
12
ファックス
電子メール
13
15
26

(2)市民意見の分類
提 出 方 法
意 見 数
基本構想に対する感想
基本構想に対する意見
17
基本構想の枠組みを越えた意見
26

3.市民意見の内容
(1)基本構想に対する感想(意見数4)
市民意見(要約)
京都市の見解の方向性
・ 阪急河原町駅のホーム縁端警告ブロックへのプラットホームの内方向を示す内方線の追加設置は,転落事故防止などに大変有効である。  ホーム縁端警告ブロックの内方線につきましては,阪急電鉄において設置するよう検討を進めていただいております。 
・ 阪急河原町駅にエレベーターが設置されるのは,身体障害者の方にとってよいことである。  河原町駅ホーム(地下2階)から改札階(地下1階)へのエレベーターと,四条河原町北東ビル内に設置されるエレベーター(地下1階から地上階)を利用して,ホームから地上までの円滑な移動経路が設置される計画となっております。
・ 盲導犬を連れて乗車される方や,身体に障害のある方が観光に来られる機会の多い京都において,阪急河原町駅のバリアフリー化事業計画は評価できる。  阪急電鉄から,「人にやさしい駅」を目標にお客様が等しく利用しやすい駅づくりを目指しており,今後も努力してまいりますとの回答を頂いております。
 基本構想(素案)は,高齢者,身体に障害のある方,地元住民などから御意見を頂戴しながら,連絡会議等での議論を重ね,各事業者との協議を行って取りまとめさせていただいたものです。
・ 烏丸地区のバリアフリー化計画も実施されて良かったと,特に地下鉄四条・阪急烏丸駅を見て思いました。今回の河原町地区基本構想(素案)も,内容がよく考えられていると思う。

(2)基本構想に対する意見(意見数17)
 (ア)阪急河原町駅に関する意見(意見数3)
市民意見(要約)
京都市の見解の方向性
・ エレベーター設置に伴う視覚障害者誘導用ブロックについては,駅からバス停,駅からタクシー乗り場など,アクセスポイントをきちんと結んでほしい。その際は,人の動線を十分考慮して敷設してほしい。どうしても横切る場合(垂直)は,極力危険の少ないと思われる場所を選択してほしい。  阪急河原町駅における視覚障害者誘導用ブロックの設置につきましては,既存駅の改良のため,設置場所などの制約もありますが,その中で最良と考える動線を考慮した設置方法を検討していただく予定となっております。
 また,駅からの地上出入口付近における,バス停やタクシー乗り場への誘導ブロックの設置につきましても,関係機関と調整を行ない,道路特定事業計画の中で実施できるよう検討して参ります。
・ エレベーターが設置されるのは嬉しいことである。これと併せて,四条河原町北東角ビル内に設置されるエレベーターの稼動時間は,阪急電車の始発から終電までとしてほしい。  阪急電鉄からの回答は以下のとおりです。
 四条河原町北東ビル内のエレベーターにつきましては,河原町駅の始発から終電まで運用するよう調整しております。
・ 阪急電鉄の職員さんが車椅子の乗車しやすい乗車位置を把握しておられないなど,職員さんによって対応が異なることがある。御意見箱を設置するなど,対応をしっかりしてほしい。   阪急電鉄からの回答は以下のとおりです。
 車椅子のお客様が来駅された場合,ご乗車される駅で降車駅をお伺いした後,降車駅へ電話連絡によりご乗車される列車・場所の連絡を行い,ホームまでご案内申し上げご乗車されるまでお手伝いを行っております。降車駅では,連絡を受けた場所で待ち受けし,お客様の降車を介助し,改札口を出られるまでお手伝いを行っております。
 お客様の乗車位置のご要望につきましては,お客様のご意向を重視するとともに,降車駅のロケーション等その時の状況に応じて臨機応変にご案内を行うよう指導しております。
 各駅のエレベーター設置場所や車椅子用階段昇降装置(エスカル)の設置場所については,各駅とも把握しており,お客様の降車駅の便利な位置にご乗車をいただいております。
 また,乗降の際の渡り板の使用につきましては必ず持参し,お客様ご自身のお断りがない限り必ず使用するよう徹底を図っています。
 なお,ご意見箱の設置は現在のところ考えておりませんが,ご意見等がございましたら,駅サービスセンターにお申し付けいただければと考えております。

 (イ)京阪四条駅に関する意見(意見数6)
市民意見(要約)
京都市の見解の方向性
・ 京阪四条駅の案内サイン等の事業の内容が,河原町地区基本構想の中には含まれていないが,河原町地区のほぼ中心に位置し,阪急河原町駅からの乗り換え客も多い駅であるので,現状を確認し何らかの事業を行ってほしい。エレベーターの場所も知っている人でないと分かりにくいと思う。  京阪四条駅につきましては,段差解消など一定のバリアフリー化が図られており,当初,河原町地区の連絡会議設立時点では具体的なバリアフリー化事業実施の見通しが立っていなかったことなどから,情報案内施設の整備についてはもう少しスパンの長い計画が検討されていました。
 しかし,今回の市民意見募集でバリアフリー化の要望を受け,また,河原町地区の重点整備地区内での当駅の位置付けを検討した結果,京阪電気鉄道にこの度,四条駅についても河原町地区の公共交通特定事業等について取り組んでいただくことになりました。
 具体的には,電光式列車運行情報案内板への改善及び内方線ブロックなど視覚障害者誘導用ブロックの整備を行っていただきます。また,エレベーター案内サインの改善等についても検討していただく予定です。
・ 京阪四条駅は,地区内に入っているにもかかわらず,駅のバリアフリー化の事が記載されていないが,対象になっていないのか。京阪四条駅も多くの方が利用される特定旅客施設に該当するのではないか。
・ ホーム上の情報案内板について,聴覚障害者は,電車の発着等の情報を文字情報板からしか得ることができないので,LEDの電光式情報案内表示板を設置してほしい。(2)
・ ホーム上の警告ブロックに,ホームの内方向を示す内方線ブロックを追加設置してほしい。
・ ホーム上に設置されているエレベーターの案内表示について,場所によって表現が違う箇所があるので統一してほしい。ある場所では,「エレベーターは京都方端にあります」と記載されており,別の場所では,「エレベーターは出町柳方面・・・」と表示されている。

 (ウ)阪急地下通路・階段等に関する意見(意見数2)
市民意見(要約)
京都市の見解の方向性
・ 地下から地上へ上がる階段(特に阪急百貨店西側)付近が暗く,弱視者にとっては段端(階段の段差の端)が確認しにくい。  東改札口側の地上への出入口である阪急百貨店西側階段につきましては,将来の大規模改良時には,階段の改善を検討することになると思われるため,今後,施設所有者と協議を行っていただく予定です。
 また,島屋京都店においては,中央改札口側の地上への出入口3ヶ所につきまして,今後,改装計画の中で,概ね平成20年頃までを目途に,階段の照明の見直し等を検討していただいております。
・ 阪急河原町駅の改札口を出た地下通路内や地上のバス停付近において,分かりやすいバスの案内表示を設置してほしい。  京都市交通局では,現在,改札口を出た地下通路内の3箇所にバス路線図及びバス乗り場を案内した案内板を設置しています。また,バス停においてもバス乗り場案内をバス標識柱に掲示しています。
 京都バスでは,3箇所のバス停にそれぞれ行先及び他のバス停への案内を掲出されていますが,地下通路内への案内板設置は行われておりません。観光シーズンには,阪急河原町駅の協力を得て,改札口付近に臨時の乗り場案内を出されることもあります。
 京阪バスでは,河原町駅周辺の5箇所のバス停に,他の4箇所のバス停の位置が分かるように案内表示を掲示していただきます。
 今後,公共交通事業者及び道路事業者等が連携して,駅周辺における分かりやすいバスの案内方法を検討して参ります。

 (エ)電柱地中化等に関する意見(意見数1)
市民意見(要約)
京都市の見解の方向性
・ 大和大路通の四条から建仁寺西門までの間の路側帯が狭く,また路側帯の中に電柱が建っているので,電柱を地中化して歩行者の利便性を向上し,安全を確保してほしい。
 周辺には,寺社仏閣や小学校,病院等があり,子供・高齢者の通行が多い現状である。車椅子・ベビーカーの利用者にとって甚だ危険である。 
 大和大路通の四条通以南につきまして,ご指摘のとおり,狭小な道路にもかかわらず抜け道としての通行車両が多いため,歩行者の通行が困難な状況が見受けられます。今後,道路特定事業計画の中でバリアフリーでの整備の可能性について検討を行っていきます。
 なお,電線の地中化については,現在多くの取組路線があることなどから非常に困難であり,また,電柱がなくなっても,照明柱や地上機器等の設置が必要となり,新たな支障物が生じるという課題もあります。したがって,支障となる柱等については,移設等を含めた歩行空間確保の方策を検討していきます。

 (オ)違法駐車・駐輪対策に関する意見(意見数3)
市民意見(要約)
京都市の見解の方向性
・ 河原町通や四条通の歩道に自転車が放置されているので,高齢者などの通行に支障となっている。  本市では,平成12年3月に策定した「京都市自転車総合計画」に基づき,自転車等駐車場の整備や都市型レンタサイクル導入促進などの自転車利用環境の向上を図るとともに,放置防止啓発や自転車撤去により,自転車放置状況の改善を目指し取り組んでいるところです。
 御指摘の河原町通や四条通周辺における放置自転車対策といたしましては,本市において「京都市自転車等放置防止条例」に基づく撤去強化区域に指定し,定期的に撤去しております。また,御指摘の地域については,上記の定期的な撤去の他に,昨年度から実施している木屋町通における夜間の自転車撤去や三条木屋町・四条河原町周辺における土曜日撤去を引き続き実施して参ります。
 自転車等駐車場の整備につきましては,本市でも自転車等駐車場の重要性を認識しており,総合計画の中で,「整備を予定している対象駅」7駅及び「整備を検討していく対象駅」40駅を位置付けております。
 河原町地区の阪急河原町駅等複数駅についても「整備を検討していく対象駅」に位置付けており,用地確保等の様々な問題がありますが,今後とも引き続き取組を進めて参ります。
 さらに,歩いて楽しいまちなか戦略の一環として,当地区や烏丸地区の一部を含む都心部での放置自転車問題の抜本的解決を図るために策定した「都心部放置自転車等対策アクションプログラム」により,御射山公園や新京極公園の地下を活用した自転車等駐車場の整備や自転車駐車場付置義務の見直し等による駐輪スペースの確保を図るとともに,地域との協働による啓発・監視活動や放置自転車の撤去の強化など駐輪マナーの向上に取り組んでいきます。
 放置自転車問題は,利用者のマナーによるところが大きく,解決することが困難ではありますが,今後とも自転車利用マナー・ルールの確立を図るため取り組んで参りますので,御理解と御協力をお願い致します。
・ 河原町通り四条下がる東側の四条河原町バス停付近に放置自転車が大変多いので,歩行者の通行に支障となっている。改善してほしい。
・ 当該地域周辺にバイクと自転車の放置が多数見受けられるので,商業施設の駐輪スペース拡大や公共の駐輪場の設置を積極的に推進してほしい。学生や若者を中心とした自転車利用を抑制するのは不可能である。  商業施設の駐輪スペースにつきましては,現在「京都市自転車等放置防止条例」に基づき,一定規模以上の集客施設を対象に自転車駐車場の設置を義務付けておりますが,今後は,対象となる規模及び用途の見直しについて検討を進めて参ります。

 (カ)自転車の走行に関する意見(意見数1)
市民意見(要約)
京都市の見解の方向性
・ 河原町通や四条通の歩道を自転車で走っている人が多いので,改善してほしい。  自転車は手軽で便利な乗り物として幅広い年齢層で利用されている一方,全国的に自転車利用者が関与する交通事故が増加し,また,事故には至らずとも危険性・迷惑性の高い交通違反を繰り返すなど,具体的危険を及ぼす無秩序な運転を批判する声が高まっているということは十分承知しております。
 現在,京都府警察では,自転車利用のマナー向上を図るため,地域と一体となって街頭での広報啓発活動や指導を実施している他,警察官の指導警告に従わず違反行為を継続したり,違反行為により通行車両や歩行者に具体的危険を及ぼすなど,悪質性の高い交通違反に対しては,検挙方針で臨むなど継続的な交通指導取締りを行っております。
 また,五条警察署では,7月に四条通,河原町通を中心とした自転車の交通規制の周知徹底を図るため,規制図を描いた「交通安全うちわ」を関係機関・団体協力を得て作成し,各種交通安全活動の機会を捉えて活用しております。
 その他,関係機関・団体等との連携による自転車教室の開催,更には,京都府交通対策協議会主唱の「自転車の迷惑・危険運転追放府民運動」の普及徹底を図るため,自転車の交通ルールやマナーを理解させるためのチラシ等を活用した広報啓発活動にも積極的に取り組んでいるところであります。

 (キ)その他の意見(意見数1)
市民意見(要約)
京都市の見解の方向性
・ 同じ交通政策室で進めている「歩いて楽しいまちなか戦略」とも十分に連携をとって事業を進めてほしい。四条通の車道の交通量を抑える上で,地下の阪急電車の活用は重要な要素になると思う。  5月末の協議会発足以来,地元及び関係機関等にご協力いただきながら進めております「歩いて楽しいまちなか戦略」の取組につきましては,公共交通機関を利用した徒歩による移動の円滑化を目指した交通バリアフリーの取組と密接に関わるものであり,今後とも連携をとりながら進めて参ります。

(3)基本構想の枠組みを超えた意見(意見数5)
市民意見(要約)
京都市の見解の方向性
・ 雨の日に車椅子や杖の方は傘がさせず不自由であるので,京阪四条駅から阪急河原町駅まで地下通路でつないでほしい。  京阪四条駅から阪急河原町駅までの地下通路につきましては,鴨川の下に地下道を構築するなどの大規模な工事となるため,整備することは極めて困難と考えられます。
・ ゼストから市役所及び河原町三条までを地下通路でつないでほしい。  市役所までの通路につきましては,他でも同様の御要望をお聞きしており,今後の課題と考えております。
 河原町三条までの地下通路につきましては,現状では必要な施設と考えておりません。
・ 京阪四条駅から南座方面へのエレベーターを設置してほしい。  京阪電気鉄道から,構造上及び敷地の制約で,南座方面へのエレベーター設置は困難であるとの回答をいただいております。
・ 非常時の駅等の避難経路の誘導には,点滅等などが有効である。  総務省消防庁においても,床に一定間隔で緑色の光源(非常用電源で光る)を埋め,火災等の状況によって避難すべき方向を示すように順番に点滅していく設備が検討されております。
 御指摘のように,常時だけでなく非常時も含めた誘導案内について,サインや音声などを活用した,すべての方に分かりやすい設備の整備の推進に努めて参ります。
・ 公衆電話は音量調整ができるなどユニバーサルデザインのものを設置すべき。  近年は携帯電話の普及が急速に進んできたとは言え,多くの方が利用される駅等においては,公衆電話が利便設備として設置されております。
 阪急河原町駅においても,3箇所に十数台が設置されており,現在,その大部分が音量調整機能のある機種となっております。
 御指摘のようなユニバーサルデザインのものとするために,通信事業者において,音量調節機能以外にも設置高さの調整や電話台の形状,蹴り込みなどに配慮しながら改良を進めているとのことです。

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