市民意見とこれに対する本市の見解の方向性(京都地区)
1 基本構想に対する感想(意見数1)
市民意見(要約)
本市の見解
・ 地下鉄京都駅南口の構外スロープの勾配改善はよいアイデアである。  本スロープについては,勾配の改善だけでなく幅員や手すりの配置などを検討し,すべての人が利用しやすい施設となるよう改善を行います。

2 交通バリアフリーの取組に関する意見(意見数1)
市民意見(要約)
本市の見解
・ 地下鉄の駅や地下街の出口すべてに上下方向のエスカレーターとエレベーターの設置を最終的な目標とするべきである。  地下鉄の駅や地下街の出口にエレベーターや上下方向のエスカレーターを設置するためには,大規模な出口の改修や新たな用地の確保などが必要になる場合があり,すべての施設に対応することは困難と考えます。
 京都市では,烏丸公共地下道に面して建築物の接続協議があった際には,地上の公共通路に接続する建築物内のエレベーターが設置できるよう求めるなど,できるだけ多くのバリアフリー経路を新たに確保できるよう務めています。

3 個別の改善要望(意見数12)
(1)JR京都駅に関する改善要望(意見数2)
市民意見(要約)
本市の見解
・ JR京都駅の嵯峨野線から近鉄京都駅までの距離が遠いので,嵯峨野線を東へ移す,動く歩道を設置する,近鉄へのダイレクト乗換経路を設置する,あるいは,嵯峨野線から南北自由通路へ直接出られるエスカレーターと改札を設置するなどにより,より便利な経路を整備してほしい。  JR嵯峨野線は,駅の西側に位置し,改札へは一方向の移動のため,乗車場所によっては移動距離が相当長くなってしまう現状がありますが,新たな経路や施設の整備により,乗換経路の利便性を高めることは,駅のスペースや構造上の問題など解決しなければならない問題が多数あります。
 JR西日本からは,現在のところ対応する計画はありませんが,これらの御意見を参考にして旅客流動の円滑化に取り組んでいきたいとの回答を頂いております。
・ JR京都駅の2〜6番線ホームから地下道に下りられるエレベーターを設置してほしい。  JR西日本では,多くの駅を対象に,順次,エレベーターやエスカレーターを設置し,駅のバリアフリー化を推進して頂いております。京都駅については,バリアフリー化された経路が1つ以上確保できておりますが,まだエレベーター等により段差解消できていない駅もたくさん残っている状況であり,それらの駅のバリアフリー化に順次取り組んで頂いております。
 現在のところ整備計画はありませんが,京都駅はたくさんの方が利用される駅ですので,段差解消ができていない経路については,旅客の動線などを考慮しながら,継続的に検討を行って頂く予定です。

(2)地下鉄京都駅に関する改善要望(意見数1)
市民意見(要約)
本市の見解
・ 地下鉄の地上へのエレベーターの位置が不便である。  地下鉄のコンコース〜地上のエレベーターについては,駅の施設配置から移設を行うのは困難ですが,より分かりやすい案内表示について検討を進めていきたいと思います。

(3)すべての駅に関する改善要望(意見数1)
市民意見(要約)
本市の見解
・ 駅のトイレの便器には和式が多いが,高齢者にとっては腰痛などで利用しにくいので,和式便器を洋式便器に改修してほしい。ただし,洋式を嫌う人のために,和式も残す必要がある。  各鉄道事業者においては,新しく設置した駅や全面改良したトイレについては,洋式便器を設置しているとのことです。また,今後とも,旅客用トイレについて設備更新や改良の際には,洋式便器の設置箇所数の検討や新設,増設を実施していくとの回答を頂いております。
 なお,新幹線京都駅では旅客施設改良計画に併せ,コンコース内トイレを移設・改良する予定ですが,洋式便器を増やすよう設置比率を検討して頂いているところです。

(4)駅前広場に関する改善要望(意見数2)
市民意見(要約)
本市の見解
・ 京都駅北口駅前における渋滞解消のため,タクシー乗降場入口の拡幅や京都中央郵便局前の降り場の新設などの改善を行ってほしい。タクシー業界での自主規制,広場側での入構規制などのソフト面だけでは混雑の改善は不可能であり,当面の措置として構造改善をする必要がある。  当問題は,タクシー乗降場入口付近を拡幅した場合でも,進入路に車が満たされた時には,現在と同様に3方向からの複数のタクシーが進入路をふさいでしまう状況となるため解決できないと考えております。
 また,中央郵便局前への降り場の設置は,バスターミナルへの通路でのバスのすれ違い及び駅ビル駐車場利用車両や荷捌き車の通行を妨げるものと考えます。
 本件については,中央郵便局前にタクシー乗り場を設置した場合,高齢者や身体に障者のある方等が駅近くで降車できない,また,塩小路烏丸交差点にタクシーがあふれた場合,横断歩道を安全に通行できないなどの問題に繋がっており,関係者が参画する「京都駅北口広場入口交差点交通対策連絡会議」において,連携を密にして解決方策を検討してまいります。
・ 京都駅中央口と八条口でタクシーに乗るとき,段差があり車いすでは乗りにくいので,乗り場の段差を無くしてほしい。  現在,北口広場側のタクシー乗り場付近には切り下げ箇所があり,また,南口の新幹線下通路のタクシー乗り場付近にも車路に沿った方向にスロープが設置されていますが,両方とも実際の乗り場と離れた場所に設置されています。
 タクシー乗り場の改善については,歩行者通路及び車路の施設管理者,タクシー事業者等が協力して取り組んでいきたいと思います。

(5)南北自由通路に関する改善要望(意見数1)
市民意見(要約)
本市の見解
・ バリアフリーを謳うなら,まず南北自由通路のエレベーターやエスカレーターを24時間動かすべきではないか。最低でも,始発から終電の間とその前後30分位は動かすべき。  南北自由通路には,エレベーターとエスカレーターが3箇所設置されています。
 エレベーターは,すべて24時間運転で,このうち中間段差部分のエレベーターのみ,多少のご不便をおかけしておりますが,管理者の判断で防犯上の対策として,インターホンの呼び出しによる運転を行っています。
 また,エスカレーターの運転時間(開始〜停止)は,北口広場側,中間段差部分及び南口広場側での統一が取れていませんでしたが,このうち,北口広場側については, 9月末から中間段差部分の運転時間(5:00〜0:30)に合わせた運転時間に変更して頂いております。南口広場側のエスカレーターにつきましても,今後,他のエスカレーターの運転時間に合わせられるよう調整を図りたいと思います。

(6)違法駐車・駐輪対策に関する改善要望(意見数1)
市民意見(要約)
本市の見解
・ 京都駅北口及び南口の違法駐車が多いので改善してほしい。  一般車両の駐車場入り待ちによる交通混雑の発生は殆どなく,烏丸通,八条通等での違法駐車が要因となっていることから,七条警察署,九条警察署及び駐車対策課が連携して,駐車取締りや指導・警告を行っております。
 また,タクシーの整序化に向けて,タクシー業界,京都運輸支局及び京都府警が合同で街頭啓発及び排除活動を行っているほか,「京都駅北口広場入口交差点交通対策連絡会議」において検討を進めてまいります。

(7)交通規制・信号機に関する改善要望(意見数1)
市民意見(要約)
本市の見解
・ 烏丸塩小路交差点の信号現示時間設定の変更や塩小路通東行右折禁止などの対策を行ってほしい。(塩小路通東行右折禁止は,(4)の中央郵便局前へのタクシー降車場設置の意見に併せた要望)  京都府警では,同交差点をスクランブル交差点とするなど,交通規制や信号機の運用の見直しを行い,また,七条署による指導・取締りなどによる対応をしています。
 (4)及び(6)と同様に,「京都駅北口広場入口交差点交通対策連絡会議」において検討を進めてまいります。

(8)バスに関する改善要望(意見数1)
市民意見(要約)
本市の見解
・ 車いすで市バスを利用する際に連絡をしなくても乗れるようにしてほしい。姫路では,運転手と乗客でバスに乗せてくれたので,姫路の印象がよくなった。  現在,リフト付きバスは運行予定をダイヤ表示していますが,車両の故障等により運行ができない場合があることから,出来る限り事前にご連絡頂くようお願いしております。また,ノンステップバスにつきましては,系統を特定せずに運用していることから,日々同時刻に運行することは困難であるためダイヤ表示はしておりませんが,ご利用される系統を担当する営業所にお問い合わせいただければ,可能な限り当日の運行状況をお知らせさせて頂いております。
 前もってご連絡を頂くことで,円滑に安心してご利用頂きたいと考えておりますが,急なご利用でステップのあるバスの乗車となった場合でも,運転士と介助の方及びご協力頂けるお客様とでお手伝いをさせて頂くことで,乗降して頂くことは可能であります。

(9)その他に関する改善要望(意見数2)
市民意見(要約)
本市の見解
・ JR六地蔵駅プラットホームと電車との隙間が大きく危険であるので改善してほしい。  JR六地蔵駅については,曲線部に設置されている駅の構造上,現在のようにホームと車両の間が通常より開く部分がある状態になっております。
 これに対して,事業者においては,車内・ホームでの放送,ホーム下の黄色回転灯及び掲示版などによる注意喚起を行うとともに,万一の際の安全対策として,非常用停止ボタン及び転落検知マットの設置を行っております。
・ 四条河原町から四条烏丸までの間に車いすの利用できるタクシー乗り場を作ってほしい。  平成17年度から基本構想の策定に取り組む「河原町地区」の連絡会議において,道路管理者及び関係者と改善方法を検討してまいります。

5 基本構想の枠組みを超えた意見(意見数3)
市民意見(要約)
本市の見解
・ 京都駅北口・南口の周辺について,一般車両の利用を控えるような自動車流入抑制策を講じてほしい。  京都駅北口及び南口の周辺道路について,現状での流入規制は,周辺道路等における交通渋滞・混雑発生及び市民生活への影響も大きいことから困難な状況です。
 現在,京都市域における交通総量抑制のため,関係機関が連携して交通需要管理(TDM)施策を継続的に進めておりますが,京都駅周辺地区についても,今後,取組を推進してまいります。
・ 南北自由通路を延伸し,東本願寺前及び西本願寺前まで(特定経路I,II及びIII)に自由通路のレベルでのバリアフリーの歩行者専用経路を整備すべきである。  歩行者交通が安全かつ円滑に移動できる経路については,地上,地下及び上空など様々な視点での検討が必要だと考えますが,ご提案のような計画は,既存の地下構造物や道路幅員から交通バリアフリーの枠組では実現は困難と思われます。今後,道路特定事業計画策定において,既存道路の歩道の改善について検討を進めてまいります。
・ 第1,2種身体障害者及び知的障害者が,片道100キロを超えない乗車の場合に運賃を全額払わなければならないことについて,たとえば車いすでも一人で行きたいという障害者の自立心を阻害しているのではないか。  現在,京都市交通局では,身体に障害のある方等がご本人お一人で乗車される場合でも割引制度を設けておりますが,私鉄等につきましては,概ね,第1種で介助者等の同伴者がいらっしゃる場合及びご本人単独で101キロ以上のご乗車の場合に割引になる制度となっております。
 公共交通機関での移動を必要とされる当事者の自立心を阻害することがないような,きめ細かな運賃制度の議論が必要だと考えております。
(回答確認中)
※ 基本構想の枠組みを超えた御意見として,他の施策を進める上での参考にさせて頂く。
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